【書評】子どもを伸ばすほめ方 叱り方51のヒント/中井 俊巳

書評

 こんにちは、れもんです。

 みなさんは子どもや部下に対して、上手にほめたり、叱れたりできていますでしょうか?

 ほめること・叱ることは、相手の意欲向上や成長のためには必要不可欠な存在です。

 ただし、正しくできていないと、逆にモチベーション低下や不信感に繋がってしまうことがあります。

 今回は、そのようなほめ方・叱り方のヒントになれる「子どもを伸ばすほめ方 叱り方51のヒント」をご紹介したいと思います。

~こんな人におすすめ~

  • 自分の子育てのやり方で悩んでいる人
  • 「ほめ方 叱り方」がもっと上手になりたい人
  • 子育てを通して、子どもと共に成長したい人

大まかな内容

 この書籍では、第1章で「子どもが伸びるほめ方」について、第2章で「子どもが良くなる叱り方」について説明されています。

 3章以降では、「勉強をしない子」「嘘をつく子」などの特定の場面でのほめ方・叱り方や

徳を育てるほめ方・叱り方などと話が展開されています。

得られる知識

 まず、この書籍を読むことで得られる知識を簡単に紹介していきたいと思います。
 以下の通りです。

  • 子どもがぐんぐん伸びるほめ方
  • 子どもが良くなる叱り方
  • 徳を育てる「ほめ方 叱り方」 など

 本記事では、その中でも個人的に印象に残った「子どもが良くなる叱り方」について一部触れていきたいと思います。

印象に残ったこと

 2章では、子どもの叱り方について話が進められていました。

 その中でも、「人と比べて叱ること」について書かれた文章が印象に残りました。

 それがこちらです。

 他の子どもと自分の子どもを比べるのは、自分の子どもをより客観的に知るために、

教育上必要なことだと言えます。

 しかし、比較して得られた感情は、誰と比べるかによって、その優越感と劣等感は波のように揺れ動きます。

子どもを伸ばすほめ方 叱り方51のヒント p.73,74

 時には、自分の子どもの状態を客観的に把握するために、他の子どもと自分の子どもを比較することが必要になると思います。

 しかし、それは状況を理解するためのデータとして押さえておくべきであって、

子どもに直接言って矯正させようとするべきものではないということですね。

 つい、自分の子どもがテストで30点くらいしか取れていなくて不安に思っていたところ、
周りの子どもが「テストで90点を取った」などという話を聞くと、

 「○○くんはこんなにテストの点数が良かったのになんであなたはこんなに点数が悪いの」と言いたくなると思います。

 不安や怒りの感情を抱くことは当然のことだと思います。。

 それだけ子どもに期待している、「頑張ってほしい」と思っているということですからね。その感情自体は悪いことではないと思います。

 しかし、比較して叱ることは子どもにとって良くありません。

 叱ることで、一時的にはストレスが発散できるかもしれませんが、
 
 子どもの意欲向上に繋がるとは考えにくいため、根本的な解決には至っていないのです。

 他人と比較することで、通常よりも劣等感や優越感を得やすくなってしまいます。

 それが癖になってしまうと、子ども”自身”の成長が見えにくなってしまうというデメリットがあります

 仮にテストの点数が30点から40点に上がったとしても、子どもは自分よりも点数の高い人と比べて、「自分はダメだ」と劣等感を感じてしまう可能性があるということです。

「自分は頑張ったけど、もっと頑張らなければ」と前向きに自身の成長を認めることができたらいいのですがね。。

 その逆も然りです。点数が下がったのに、優越感を覚えるパターンですね。

 教育上、叱ることは大切ですが、やり方を間違えないことが重要です。

 この状況においては、人と比べないことですね。

人と比べて叱らない  

人と比較しない

 先ほどは、「人と比較して叱るとどうなるのか」ということについて取り上げました。

 ここまで読んできて、それなら「子どもにどう叱ったらいいの」「そもそも叱ったらダメなの?」などと疑問に感じた方は少なくないと思います。

 結論、”子ども自身”と向き合って叱るです。


 基本的には、ほめて伸ばす方が子どもの行動意欲、向上心に繋がるため、叱るよりはほめる方が良いです。

 ただし、人に迷惑をかけてしまう場合や何度言っても言動が改善しそうにない場合は叱ることが大切です。

 しっかりと子どもと向き合ってあげることが大切なのです。 

 「なんでそのような言動を取ってしまうのか」ということを聴いてあげて、

その気持ちを受け止めた上で、それが悪いことなら「なぜ悪いのか」「ダメなのか」ということをしっかり説明してあげる必要があるのです。

 しっかりと話を聴いてあげた上で、子どものことを本心から想って叱るのであれば、

子ども自身も「自分のことを想って叱ってくれてるんだな」と伝わるのではないでしょうか。

 例え、その時に伝わらなかったとしても、大きくなってから叱られたことに対して、

「ありがたいことだったんだな」と思えるようになるはずです。


 感情のまま怒る人と相手のことを想って叱る人の違いに気づくことで、

叱ってくれる大人に対して、感謝の気持ちを抱けるようになると思います。

”子ども自身”と向き合って叱る

おわりに

 いかがでしたでしょうか。

 私自身が一時期、教育業界で働いていた経験があったためか、共感できる内容が多く、つい文章が多くなってしまいました。。

 今回は「子どもを伸ばすほめ方 叱り方51のヒント」の中でも、

印象に残った叱り方について取り上げましたが、他にも徳の育て方やほめ方も勉強になりました。

 叱り方・ほめ方について、より一層理解が深まったと思います。子どもだけでなく、部下を教育する立場においても応用できると思いました。

 子育てが上手くいっていない方、不安に思っている方には特におすすめですので、

ぜひ一度手に取ってみてください。ご精読ありがとうございました。

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